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院長あいさつ

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小幡 純一 院長
プロフィール

関節リウマチ治療の現状と問題点についての私見。
 生物学的製剤の登場によって、リウマチ治療が格段に進歩しました。革命的進歩と称されるのはなぜか。最も変化したのは、リウマチ専門医の意識だと思います。今、我々は、関節リウマチで日常生活が制限されるようなことがあってはならないと強く思っています。少なくとも、制限されている患者さんがおられれば、治療法を見直すべきだと思います。そのためには、まず早期発見が重要で、関節超音波検査が威力を発揮しますが、なんといっても、専門医としては、知識と経験がモノを言う世界です。
 かつては、不治の病、必ず障害者になる病気、治療薬に期待できるのは関節の痛みをやわらげるだけ。医師と患者さんの認識にそれ程差がなかった時代でした。1980年代後半、免疫抑制剤メトトレキサートの登場が、リウマチ新時代の幕開けでした。骨関節破壊を阻止する治療の創世記でした。しかし、実際に関節破壊を阻止できる確率は30%程度に過ぎないこともわかってきました。
 13年前、レミケードという生物学的製剤が登場し、我々の意識は一変しました。ようやく我々もリウマチ専門医として自覚できる時代に入ったのです。
日本で初めて健康保険の適応が認められたレミケードの実力は、つたえ歩きの患者さんが、点滴注射直後に階段をスタスタ上り下りできるほどでした。その後、次々と類似作用を持つものや、作用の全く異なる生物学的製剤も登場し、新薬7剤が保険適応されました。最近では、安価な類似製剤も保険収載され、患者さんに投与可能となっています。更に新薬開発が続く情勢であり、数年後には、倍増していると思われます。
 しかし、今思えば強力な治療法への急速転換だったため、当然起こりうることだったのですが、当時の想像を超えた問題点が続々と浮かび上がってきたのです。結核の発症が増加し、従来は人間と共存していた微生物が牙をむいて重症な感染症を引き起こすようになったのです。
今、私達はこれら多くの問題点をも克服し、着実に進化し続けています。重篤な感染症の予防、早期発見、早期治療の術を身につけ、これらの生物製剤を安全に投与できる人、予防薬を併用すれば投与できる人、絶対に投与してはいけない人、どの生物学的製剤を選択すればいいのか、高額医療費の問題をどうするか、最近開発された類似作用と効果が期待される経口製剤の現状などについてもお話したいと思います。
 情報社会ですので、世界中の研究者からのタイムリーな情報も入ってきます。生物製剤を恐々使用していた時代は過ぎ去り、自身の多くの治療経験を経て、私なりのリウマチ医療の現状をお話しできるようになりました。ただし、飛躍的に進化したという歴史の裏では、日々進化する膨大な情報を処理しなければならないため、専門医の側にも、得て不得手の格差が広がったという事情が生まれています。私自身の考え方にも反対意見があるかもしれません。しかし、全国どこでも同じようなレベルで治療が受けられないということは、患者さんにとって決して望ましいことではありません。私自身の診療でも、他の専門医の治療法に関し、患者さんやご家族の方からセカンドオピニオンを求められる機会も増えています。治療法も多様化しています。そのため、専門医の先生方からの反対意見もありうる問題点についても触れながら、リウマチ医療の現状についてお話したいと思います。


関節リウマチから始まったレーザー治療。
 我々は関節リウマチの克服を目指し、強力な免疫療法に加え、独特の抗炎症作用や破壊された骨関節組織の修復作用をもつ、レザー治療を積極的に導入し、独自のリウマチ治療体系を作り上げてきました。これまで治療した関節リウマチ患者さんは6000例を越え、内外の学会で、その成果を報告し続けています。更にレーザー治療の強力な鎮痛抗炎症効果は関節リウマチへの応用にとどまらず、あらゆる難治性疼痛性疾患に有効であることが日本レーザー治療学会、日本レーザー医学会、ペインクリニック学会、その他広く全診療科から報告されるに至り、今では、アトピー性皮膚炎、各種アレルギー疾患、脳出血後遺症による運動麻痺への応用等、とどまることを知らない程の広がりを見せています。さらに、レーザー治療の発展を目指し、2010年6月横浜において第22回日本レーザー治療学会学術集会の会長を務めさせて頂きました。しかし、まだまだ現状は、このレーザー治療によって救えるであろう患者さん達に十分で正しい情報が伝わっていないと感じました。我々の施設では関節リウマチ以外の疾患に対しても年間のべ15000回以上のレーザー治療を行なっています。この豊富な臨床経験に支えられたメッセージが、より多くの悩める患者さんのもとに届くことを心より願っております。


「第22会レーザー治療学会会長あいさつ」より抜粋
 第22回日本レーザー治療学会をお世話させていただくことになり、大変光栄に存じます。伝統ある本学会の発展に寄与できるよう精一杯その任を全うすべく準備いたしました。会場は会員の先生方が集まりやすく、またご多忙の中で、ひと時でもくつろげますように、横浜山下公園を眼下に一望できる場所に設定いたしました。
 レーザーが初めてコヒーレントな光を放射したのは1960年です。その後、医学生物学への応用が急速に広がり、1985年頃には、『魔法の光』『夢の光』などともてはやされる時代が来ていました。組織破壊作用に注目した高出力レーザーの研究が先行していたレーザー医療創設期に、その1/10000以下の弱い低出力レーザーの様々な生物学的活性化作用が注目されるようになったのです。そんな時代に我々も精力的にこの領域に関節リウマチに対する抗炎症作用の研究を通じて参加してまいりました。本学会はこの生物学的活性化作用に特化した基礎研究、臨床応用をめざす目的で諸先輩の先生方の大変なご努力により創設された伝統ある学会であります。本学会の発足により、従来レーザー発振装置の能力に注目して用いられていた低出力レーザーという名称よりも、生体の反応性に注目した低反応レベルレーザー治療(LLLT)という名称が一般的に使われるようになったことは先生方もご承知のことと存じます。
 近年のレーザー医工学の進歩はめざましく、レーザー技術や光技術を用いた細胞機能や遺伝子発現の制御、蛋白質や高分子化合物の分析などの研究が急速に進んでおります。本学会はどういう方向に進むべきなのでしょうか。そこで、光の標的を意識してみようと提案いたします。抗炎症作用、美容、アンチエージングを目的とする場合であれ、レーザーあるいは光の作用に期待する標的は、生体組織、細胞なのか、その先の分子構造、原子なのか。この追求のために、あえて、光の波長に注目した特別講演、教育講演、シンポジュームを企画しました。また、LLLTの生体反応の基礎研究は本学会が世界に誇る最先端研究であり、教育講演のみならず、基礎研究と臨床との熱い議論ができるようにプログラムを企画しました。また、臨床医の独壇場である症例研究も重点テーマにしております。特に、LLLT、光治療、美容、アンチエージングなどの無効症例にもスポットを当てていただき、光に対する、生体反応のなぜや不思議について、本学会の特徴でもある基礎と臨床の膝を割った議論の先に、今後の本学会の発展に寄与する独創的な研究テーマを引き出したいと願っております。・・・・・・・・・・・