関節リウマチとは
関節リウマチはリウマチ性疾患の中で最も代表的なもので、変形性関節症とならんで頻度が高く、膠原病の1つです。非化膿性の慢性関節炎を主症状としますが、全身症状や多くの関節外症状を有する全身性疾患です。原因不明ですが免疫異常が基礎にあると考えられています。
次のような臨床的特徴を示します。ただし、発症初期から次のような特徴を示すわけではありません。リウマチ早期の症状については別に示します。
- 対称性の慢性多発性関節炎です。
- 寛解と再燃をくり返しながら徐々に進行するタイプが7割です。早期では関節軟部組織の紡錘状腫脹、進行すれば特徴的な変形を示します。
- リウマトイド結節などの関節外症状を時に示します。
- リウマトイド因子が陽性(80%)になります。
- X線上特徴的な骨・関節の破壊像を示します。
- 女性に多い(男:女比 1:3~4)
- 発症年齢のピークは30~50歳
関節リウマチ(RA)診療の変遷
関節リウマチ診療は革命的と言われるいくつかの時代を経て今日の大革命の時代に入っています。過去数百年の先人達の研究の成果が一気に花を開いた結果です。1994年のTNF inhibitor開発後の進歩のスピードは著しく、一気に加速されてきています。この10年、亀がジェット機のスピードを得たごとく進化し続けています。下記に革命と思われるリウマチの歴史を紹介します。現在の大革命の節目と思われる研究成果については、赤で示しています。
- 痛風と関節リウマチの診断基準(1776)
- Corticosteroid(副腎皮質ステロイド)の合成(1940s)
- RAへの応用(1949)
- Dr.Reichstein,Dr.Hench and Dr.Kendallにノーベル生理学・医学賞(1950)
- Methotrexate(メソトレキセート)の開発
- 白血病治療への応用(1940s)
- RA治療への応用(1950s)
- Control study(対照試験) によるRAのMTX治療確立(1980s)
- RAのACR(アメリカリウマチ学会)分類(診断)基準(1987)
- TNF inhibitor の開発(1994)
- ACR/EULAR新RA分類基準(2009)