レーザー治療について
レーザーは、地球上に存在するさまざまな光源の中でも、特に優れた性質を持った人工的な光源です。この優れた性質のレーザー光を医学的に応用したのがレーザー療法です。一般的に知られているのは外科手術で組織を焼くのに用いられるいわゆるレーザーメスですが、レーザーメスで組織を切っても痛みが少ないという不思議な発見があり、その後、レーザー光の出力をどんどん下げても痛みを軽減する作用があるということが発見されました。その作用を応用したものが今日各種疼痛疾患の治療に利用されている低出力レーザー治療です。当院では、豊富な慢性の難治性痛みの治療経験を基に、日本リウマチ学会専門医、日本レーザー治療学会指導医・専門医によるレーザー治療を行っています。
レーザー治療の適応症
- 関節リウマチ
- 変形性関節症(関節軟骨の老化による腰痛、膝関節痛など)
- 各種疼痛(腱鞘炎、いわゆる五十肩など)
- 帯状疱疹後神経痛・三叉神経痛
- アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎
- 脳血管障害後遺症(片麻痺、知覚障害など)
- 円形脱毛症、にきびなどの皮膚疾患
- 交感神経緊張状態(星状神経節照射法)、自律神経失調症
- 頚椎捻挫(交通事故後遺症など)
リウマチとレーザー治療の考え方
関節リウマチの薬物治療は目覚ましい発展を遂げ、きちんと治療さえ行えば関節破壊を起こすことなく通常通りの生活を送れるレベルになっています。しかし、当院の患者さん208名を対象にアンケートを取ったところ、一番の治療目標は「関節の痛みを取ること」という結果になりました。関節破壊が抑えられていることは大前提として、患者さんが最も望むものは痛みのない状態ということがわかりました。現在のリウマチ治療の問題点として、医師は腫れを重視し、患者さんは痛みを重視しているという乖離が指摘されています。この乖離をなくす必要があります。当院ではリウマチの薬物治療が発展する前からリウマチ患者さんの痛みと向き合い、レーザー治療を開発してきました。薬物治療が発展した今治療の中心は薬剤ですが、それでもなお患者さんの痛みを取るという目標は達成されていません。それほど痛みというものは複雑で一筋縄ではいかないということが言えますが、今日の薬物治療とレーザー治療を含めた様々な鎮痛療法を組み合わせることで、より患者さんの望む治療目標に近づくことができるのではないかと考えています。
星状神経節レーザー照射法について
頚部に存在する星状神経節という交感神経節にレーザー光(または直線偏光近赤外線)を照射することで、交感神経緊張状態にある以下のような疾患を治療する方法です。
- 自律神経失調症
- 更年期障害
- 線維筋痛症
- 不眠症
- 帯状疱疹後神経痛(顔面・頭部)
- アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎
- アトピー性皮膚炎(特に赤鬼様顔貌に著効例が多い)
- 難聴、耳鳴り、めまい
- 円形脱毛症